2013年8月18日日曜日

雲ノ平 2

2013.8.11~14




二日目はいよいよ薬師峠から雲上の楽園・雲ノ平を目指します。

朝4時起床。食事を摂りテントを撤収しようとしますが、朝露でテントがかなり濡れています。ふき取りタオルを忘れたので仕方なくそのまま畳んでバックパックに詰め込むことに。
朝5時過ぎ。いい天気になりそうです。

5時半ぐらいになると太陽が顔をだし山々の頂から照らし出します。太郎平小屋の傍らにニッコウキスゲが咲いていて、朝日に染まりつつある景色がとてもキレイでした。




雲ノ平に向け、太郎平小屋を右手に見て木道を行きます。薬師峠方面を見るとこんな感じで、ハクサンイチゲやチングルマが白く輝いています。




草原をトラバースしながら緩やかに下るのも束の間、急な下りに変わります。見通しも悪くなりますが、所々で咲いているニッコウキスゲや草木に付いた朝露を見ながら下っていきます。






急な下りがひと段落すると薬師沢に向けて小さな沢をいくつか越えていきます。前を歩いてる外国の方の後姿を拝借。




膝下ぐらいの笹の中に敷かれた木道を通ったのち、やがてカベッケが原という広場に着きます。ここから薬師沢小屋まではすぐですが、せっかくチングルマの群落に囲まれていてベンチまで設置されているので小休止します。




ほどなくして薬師沢小屋に着きますがここはスルー。7時45分、小屋の横に架けられた赤い橋で薬師沢を渡ります。




気持ちよく飛沫を上げている小さな滝が涼しげな雰囲気ですが、ここから雲ノ平までの急登が始まります。以前は天気が悪く軽く水が流れていて、足場も悪く苦労した覚えがあります。今回はそういうことはなさそうですが、それなりの苦労は覚悟していました。





直登ルートは枯れた沢を登っている感覚で、ゴロゴロとした石でできた道です。以前とは違い足場の状態が良いため幾分気持ちが楽ですが、勾配がキツイことに変わりはありません。草木を気にする余裕があったのも束の間、息を切らしながら登ることに集中していきます。









一時間半ほどでようやくキツイ登りが終わり緩やかな木道が始まりますが、息もキレギレで針葉樹に囲まれたちょっとした広場で休憩します。しかし、ここまでくれば、あとは「庭園」と呼ばれる幾つかのお花畑を越えながら、雲ノ平の核心部に緩やかにアプローチできます。少し歩くと急に視界が開けてきて「楽園」の様相を呈してきました。




雲ノ平山荘の手前に小さな丘レベルの祖母(ばば)岳への分岐があります。この日の深夜(=13日午前3時)はペルセウス座流星群の極大期で観測条件的にも適しているということ。流星群の観測ポイントをどうするかも考えつつ、分岐ポイントにバックパックを置いて祖母岳に登ります。

頂上からは360°見渡すことができ観測ポイントとして申し分ありません。しかし、テント場からのアクセスに片道30分程度かかることを考えるとちょっと考え物で、結局ここは諦めることにしました。

それから次の日から自分が歩くであろう山々も漠然と眺めます。山の懐の深さを感じるが故に「人間結構歩けるもんだ」と思うとともに「本当に歩けるのか」と地図を見ながら行動計画に無理がないか見直したりしました。



さて、祖母岳で休憩した後、テント場に向かいます。相変わらずチングルマやハクサンイチゲ、コバイケイソウなどが咲き乱れている中に敷かれた木道を歩いていきます。祖父(ジジ)岳との分岐ポイントが少し小高い丘になっていて、テント場が見えてきます。テント場の向こうに見える祖父岳には分岐ポイントを左手方向に進み稜線上を歩いてアクセスすることを確認します。






テント場に11時半到着。設営場所を探しますが、連泊の方などで「水平、石が少ない、水が流れてこない」一等地は埋まっているようでした。考えた結果、天気が安定していることからヒドイ増水はないと考え、土がちょっと湿っぽいけども他はOKの場所を確保しました。

昨日の薬師峠に続き、今回はこの雲ノ平のテント場もキャパオーバー。後から到着するほど条件の悪い場所に設営せざるを得なくなります。ひどい傾斜地やとても平坦とは言えない一枚岩の上に設営している人もいました。山登りがブームになった今、特にハイシーズンは早めに到着するように行動計画を立てる必要がありそうです。


テント設営してから適当に周囲を散策しようかと思いましたが、本当に暑い。高原とは思えないほどの暑さで、散策する気にもなりません。他の人たちは山荘までビールを買いに行くなどしてやり過ごそうとしているようでした。
ここのテント場も水場は湧水を利用していて垂れ流し状態です。昨日と同じく頭から行水して体のほてりを冷ましました後、テント場に流れる小川のほとりに小さな草地と木陰を見つけたので、ここでしばらく昼寝をすることに。






午後4時。
少し暑さもマシになり、高天原まで降りるルートの途中にある奥スイス庭園方面に散策に行くことにしました。
山荘までの木道を途中から右側に折れ、少し登ったところにコロナ観測所というスポットがあり、周囲にはおなじみの花々やイワオトギリが咲いていました。先客の方が言われていましたが、どうやらdocomoの電波塔が併設されていて携帯が通じるとのことです。




さて、コロナ観測所を越えて奥スイス庭園方面に降りていきます。雪渓が残っていて、その雪解け水で小さな池ができていました。天気が良く水面が空を映したキレイな青が印象的でした。







草原でしばらく花を撮った後、引き返して祖父岳との分岐ポイント、少し小高い地点で夕暮れを待つことにします。
クライマックスは18時20分~50分の間。まだ30分ぐらいありましたが、三脚を立てて100mmの単焦点をセットし逆光気味となる山荘方面の草原を狙います。陽はどんどん傾き、そしてこの時が来ました。





ひとしきり堪能したあと、テントに戻ります。徐々に暗くなってくる中、食事の用意と着替えを同時並行的に進めなければなりません。そして19時、山の向こうが焼けるのを見ながら食事。最高でした。





そしてこの日最後の仕事。明朝未明の流星群に備え、機材をセットし就寝です。



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